Back to the ランチ

 いかにもニンニクが入ってそうな鶏の唐揚げに
ペペロンチーノを添えて出すという大胆極まりない
定食を提供する喫茶店が名古屋には存在する。


 営業職という職業柄、ニンニクは避けて通るべきであったが
明らかにサラリーマンをターゲットにした店にも関わらず
ニンニクをふんだんに使うという需要と供給のバランスを無視した
攻撃的なスタイルに惹かれ、ランチAの唐揚げ定食を注文する需要家の僕。
攻撃的な姿勢は需要を生む。


 ニンニクを迷わず食べたにも関わらず人目が気になったので
花粉症対策という名目で、顔の半分近くを覆うマスクと伊達メガネという、
赤いマフラーを着ければ安い仮面ライダーっぽいスタイルに身を包み
ほんの少しだけ周りに気を使った。


 仕事を終え仮面ライダースタイルに身を包みエレベーターへ乗りこむ。
1階まで降りると、上の階に行くであろう同年代の男が入れ替わりで乗り込んきた。
乗り込んでくるやいなや、「くさっ」(ボソッと)。

「くさっ?」
「くくく、くさっ?」
二度見した時には扉は閉まっていた。
「ボソッというな!」

 その暴力的な正直さに仮面ライダーもビックリ。
言っていいことと悪いことの悪い方に分類されるであろう暴言。
仮面ライダースタイルが変装に役立つとは…。
どうかしてるぜ!!